2015年5月17日日曜日

シーパラのミクロモンスター展に行ってきました(ネタバレ有り)

鍵をかけたままの扉を開けてみよう
あの頃の諸々を呼び覚まそうとしている私です。


ファミリーとカップルでごった返す横浜・八景島シーパラダイスに出かけて参りました。
昨日より始まったミクロモンスター展を観に行ってきたのです。




もうこのデザインが親しみやすいカンジがいいよねぇぇええ

ってか、ウミクワガタの指先が二又になってね??それってクワガタ(昆虫綱)の特徴じゃね???等脚目のdactylusって普通にとんがってるだけじゃね????



 さて・・・このウミクワガタ先輩が率いる四天王というのが、ヤリボヘラムシクーマスベヨコエビワレカラで、驚くべきことにすべてフクロエビ上目というニクイ軍団。

 それ以下のメンバーは、タナイスウミグモコツブムシオタフクヨコエビウミホタルという、揃いも揃って僕たち私たちマイナー海産節足動物芸人です。

 ヨコエビが2つも入ってる!キャラ被りを恐れずに2つも入れてくれている!!



何の補足もいらない完ぺきな解説ですね
それにしてもそのように狩りをしているとは知りませんでした
(HPの名前の表記がおかしいのは期間終了の7/12までに直していただきたいものです)


 
 やはりヨコエビはスピード要員のようです。
 ってか・・・底節板すくなくね???
 オタフクヨコエビParapleustes属はテングヨコエビ科に含まれ、北海道で石丸先生がたくさん記載されていますね(Ishimaru, 1984)

 やっぱり底節板のカタチが違う気がします・・・





 さて・・・





(以下、ネタバレ)







 会場はこんな感じです。





 

 正面には堂々とスベヨコムシスベヨコエビが掲げてあり、ヨコエビニストとしては気恥ずかしいやら嬉しいやら・・・








見てくださいこの大きなアイソポッド!
 先日、ニコニコ超会議の会場で購入させて頂いたオオグソクムシ煎餅の原料、オオグソクムシBathynomus doederleiniiの生体展示です!

 他にもアメリカカブトガニやモンハナシャコなど、華々しい非十脚節足動物が魅せてくれます!





そして、Acanthogammarus sp.やEurythenes gryllusの液浸標本!

 最大のヨコエビというとAlicella giganteaという風潮の強い中、あえてEurythenes gryllusをチョイスしてくるこの渋さ、 大きいことはいいこと・・・あれ・・・確か今回のテーマはミクロ・・・




 今回の主役たちの写真は撮っていませんが、ぜひこれは生で観ていただきたい。

 パネルには先ほどの何か怪獣図鑑みたいな説明文に加えて、種の採取場所や生態的特性が記述されています。
 生体展示には個別に案内はなく、展示ケースに埋め込まれたシャーレの中を覗くと奴らがいます。
 顕微鏡を必要としない程度のマクロベントスですが、まあこれが妥当な大きさかと。

 なにかルーペみたいなもので見るような趣向でもよかったかもしれませんが、今回は会場にRICOHのWG-5 GPSが据え付けられ、顕微鏡モードで撮影・観察できるようになっておりました!これはすばらしい!!バッテリー切れてたけどな!!!



 
そしてなんとソーティング目視でベントスを探せるコーナーが! 写真には中央上部にLeipsuropusがあるため、これはワンチャンあるかと思いきや、ぜんぜん見つかりませんでした(テヘペロ)


  

そしてこれ、実はパネル展示が非常に多いんです。

 生体展示は非十脚節足動物ばかりですが、写真にはゴカイやらボネリムシやら、様々な分類群があります。写真の人物も楽しそうですね。
  一部書体のブレや分類の古さなどがありますが、まあ、これも楽しみ方の一つだと思います!


 あとはいろいろ館内を観て回ったのですが、今回はこのへんで・・

(待て次回)






2015年5月8日金曜日

五月度活動報告(2015年)

永い眠りから目覚め、蘇るヨコエビニストこと、私です。
独りきりで閉じていたって意味ないよね。


・三番瀬ベントス調査


 GWといえば潮干狩り、赤潮をプランクトンネットですくって顕微鏡で覗いたかの如き人ごみをかきわけ、東浜のベントス調査に参加しました(5月6日)。
 NPOの活動はもうかなりお休みしておりました。久々の干潟です。


青い空の下、見ろ、人がいっぱいのようだ(みればわかる)


 定量調査をメインに、努力量調査も実施しました。
 漂着物を裏返すとヒメハマトビムシPlatorchestia cf. pasificaらしきハマトビムシ科がたくさん。
 適当に砂を掘るとニッポンドロソコエビGrandidierella japonicaやらモズミヨコエビAmpithoe varidaやらが出現します。愉快愉快。



 アナアオサ(sensu lato)の表面にモズミヨコエビ
ヨコエビはかつてない豊作


 汀線付近まで行くと、波に削れた砂の凹凸の合間に、棲管のかたまりが目立つ。これを崩してみると、ドロオニスピオとみられるスピオ科の多毛類と、アリアケドロクダムシMonocorophium acherusicumが混じって採れる。同じ場所で暮らしているのか。
 
       
 まめこぶしさんの絡み
マメコブシガニも多い




杭に固着したカキ殻表面にはタテジマイソギンチャク(?)
(この写真はイソユスリカを撮影しようとして失敗したもの)






 あまり画像がないのですが、ツイッターにもあげたやつを貼っておきます。

 ニッポンドロソコエビ(メス)


  アリアケドロクダムシ(左:オス,右:メス)


 


 モズミヨコエビ(オス)


 まずまずの収穫と思います。

 調査結果としては後ほど公開されると思いますが、三番瀬のベントスはなかなか調子がよいです。

 久々にヨコエビの形態をまじまじと観察しました。
 勘が蘇ってきたかも?